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NPS(ネット・プロモーター・スコア)とは

2022.7.4

NPSとは

NPS(ネット・プロモーター・スコア)は2003年にベイン・アンド・カンパニーのフレッド・ライクヘルド氏を中心とするチームによって開発された、顧客ロイヤルティを図る指標の一つです。
「0~10点で表すとして、〇〇を友人や同僚に勧める可能性はどれくらいありますか」というシンプルな質問で、
自社を支持する顧客層や離反する恐れがある顧客層を調査することができ、LTVを最大化するという役割を担っているカスタマーサクセスにとっては、非常に重要な指標とも言えます。

顧客満足度との違い

よく混同されがちな顧客満足度とNPSですが、この二つの大きな違いは収益性に関連しているかどうかです。顧客満足度は現時点での、サービスや商品に満足しているかどうかを測る指標です。その時点では高い評価をしていたとしても、他に良いと思う商品があればそちらに移ってしまう可能性があり、将来的な顧客の継続や、単価向上を見込めるものではありません。

それに対して、NPSでは「0~10点で表すとして、〇〇を友人や同僚に勧める可能性はどれくらいありますか」という。これからの行動に対する質問に回答してもらい数値化します。そのため、将来の収益性を見る上でも活用できると言えるでしょう。

またCustomer Gaugeの調査によるとNPSのスコアが10ポイント増加した際に、アップセルによる収益が3.2%増加したという調査結果も出ており、売上とNPSは強い相関関係にあると言えます。

NPSの計算方法

NPSを測定する上で、まずは顧客に「0~10点で表すとして、〇〇を友人や同僚に勧める可能性はどれくらいありますか」というアンケートに回答してもらいます。

次にその結果から、

0~6点と回答した顧客を「批判者」
7~8点と回答した顧客を「中立者」
9~10点と回答した顧客を「推奨者」

として3つのセグメントに分類します。
そして推奨者の割合(%)から、批判者の割合(%)を引いた値がNPSのスコアになります。

推奨者のLTVは批判者のLTVの数倍高く、相対的に見た時に、いかに推奨者を増やすことができるかが重要になってきます。逆に批判者はネガティブな口コミなどにより悪い影響を及ぼす可能性があるため、批判者を減らしていく施策も重要になってきます。

NPSを活用するメリット

ここまでは、NPSとは何か、どのように測定するのかを紹介してきましたが、ここでは、NPSを施策に導入するメリットについて紹介します。

メリット①:スコア化されており比較しやすい

NPSの測定結果は数値化されたスコアになっております。そのため、過去のNPSと比較して上がっているのか、下がっているのか、同業界の中での立ち位置はどのようになっているのか、などを容易に比較することが可能です。

また、顧客の中でも業界やフェーズなどのセグメントごとに評価の比較が行いやすいため、どの部分を改善する必要があるのかというヒントに繋げやすいです。

メリット②:ビジネスの成長に活かしやすい

NPSは上記でも記載した通り、質問自体の時間軸が未来の質問となっており、将来の収益性を判断する上でも活用することができます。また、フリーコメントの質問と合わせて測定を行うことで、どの部分に課題があるのかということを明確にできるため、PMF(プロダクト・マーケット・フィット)を推進する上でも重要な指標となるでしょう。

メリット③:簡単に調査を行うことができる

NPSの質問内容は「0~10点で表すとして、〇〇を友人や同僚に勧める可能性はどれくらいありますか」という非常にシンプルなものなので、専門家がいなくとも分析することが可能です。

NPS活用のポイント

NPSをより効果的な調査にするためのポイントを3つ紹介します。

顧客のセグメント分けをする

質問項目がシンプルで定量的な調査を行うことができるNPSですが、顧客一人ひとり状況が異なります。

業種や顧客のフェーズ(サービスを導入したばかりなのか、導入後かなり時間が経っているのか)などによって、回答結果が偏る場合もあるため、今後の改善に生かすためにはセグメント分けを行うことが重要になります。

回答の母数を増やす

どの調査にも言えることですが、正確な調査結果を測るためには母数の多さが重要です。

普段から関係値がある顧客からのみの回答や極端に回答が集まらない場合などは、正確な調査とは言えないのでできる限り多くの回答を集めましょう。またそのためには質問項目を増やさず、数分で完了できるボリュームが望ましいです。

回答の背景まで理解できるような仕組みにする

NPSのアンケートを行う際は、フリーコメントなどでなぜそのスコアを選んだのかを訪ねる質問を入れましょう。特に日本人は中間のスコアを選びやすい「中心化傾向」にあります。そのため、NPSなどを行うとマイナスな結果がでやすいのですが、そのマイナスが本当にマイナスな原因によるものなのか、中心化傾向なのかを見極める一つの判断軸としても、今後マイナスな点を改善していくためのアドバイスとしても、フリーコメントをアンケートに入れると良いでしょう。

NPSは取るだけではだめ、サービス改善につなげる

NPSは、ただ計測するだけでは真の効果を発揮しません。まずは、集計したNPSのスコアから、どのくらいの人が「批判者」「中立者」「推奨者」なのかを分析しNPSが低い顧客層は、どういった特徴があるのか、なぜNPSが低いのかということを分析しましょう。

また、定性分析(フリーコメント)より、具体的な問題点を明確化し、ツールやサービスの改善につなげていくことでNPSの向上、そしてLTVの最大化を目指していきましょう。

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