CXとはCustomer EXperience(カスタマーエクスペリエンス)の略称です。
顧客がサービスを利用する時に感じる心理的な価値、体験的な価値を指し、LTV向上や解約率改善の施策として注目を集めております。
CSとはCustomer Satisfactionの略称で、顧客満足度と呼ばれております。
サービスに対する満足度を測る指標として、NPSや顧客満足度調査として、用いられます。
CXとCSの違いについては
CX=サービス導入からサービス利用時まで、全体としての流れに対する満足度
CS=サービスに対する満足度(ツールなどであれば、ツールのみの満足度)
というような部分で異なります。
UX(User EXperience)とはユーザーエクスペリエンスの略称で、サービスやプロダクトの使い心地の良さを指します。
最近では主にソフトウェアやアプリケーションなどの操作性を指す言葉として活用されますが、自動車などの製品にも使われる言葉です。
CXはサービス全体としての体験を指しますが、UXは製品やサービスの操作性や使い心地における体験に特化している
という部分で異なります。
CXが注目されるようになった1つ目の理由としては、顧客の新規獲得が難しくなっていることが挙げられます。
1:5の法則というものがあるように、新規の顧客獲得は既存の顧客に比べ5倍ものコストがかかると言われております。
成熟した市場においては、コストが5倍もかかる新規獲得に注力するよりも、既存の顧客が満足いくサービスを提供し、契約更新やリピート購入による長期利用を促す施策の方が有効的と言えます。
CXが注目されるようになった2つ目の理由は、競合との差別化が難しくなっているからということが挙げられます。
昨今の日本はモノが溢れる時代に突入しており、同じような機能や特徴のサービスがたくさん存在しております。
消費者のサービスを選ぶ際の選別基準も「モノ」から「コト」に変化しており、製品そのものだけでは選ばれない時代となりました。
そういった背景もあり、競合との差別化のポイントとして、サービスフロー全体の体験の向上、つまりCXの向上が注目されております。
CXを改善するメリットは大きく分けて3つあります。
CXを向上させることで得られる1つ目のメリットは、LTVの改善です。
顧客は素晴らしい体験を受けることで、サービスや製品に対して感情面で強い愛着を持ちます。
そのため、継続利用やサービスのリピート、アップセルやクロスセルが増え、LTVの向上に繋がります。
CXを向上させることで得られる2つ目のメリットは、口コミによる宣伝効果です。CXが向上しロイヤルカスタマーが増えることで、良い口コミがSNSやWeb上で広がります。そういった口コミは購入や導入を検討している顧客に対して高い宣伝効果があり、新規顧客の獲得に繋がります。
「顧客のロイヤリティ化によるLTV」に加えて、CXを追求していくと、サービス価値を高めることができ、そうなると、サービス価格向上、いわゆる、「サービスの値上げ」を実現することができます。
実は、CX向上によって、サービス価格向上を実現できるということを知らない、または実施していない企業はまだまだ多く、CX向上を目指すのであれば、「サービス価値向上によるサービス価格向上」の実現を視野に入れていくことをお勧めします。
CXを改善するにあたり、まずは自社を分析する必要があります。
顧客が自社に対してどのような意見を持っているのか、逆に自社のサービスの質はどのようなものなのか、という情報を定量・定性2つの視点から収集しましょう。
具体的な分析方法としては、
定性
・VoCアンケート
・顧客インタビュー
・お問合せ分析
定量
・CSAT(顧客満足度調査)
・FTR(初回応答時間)やTTR(課題解決までの時間)
・NPS(ネット・プロモーター・スコア)
・チャーンレート
などがおすすめです。
カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品やサービスを購入するまでの流れや行動パターンを感情描写を含め可視化し分析するフレームワークです。
顧客とのタッチポイントとその時の感情を可視化することで、どのような課題や悩みを感じているのかを俯瞰できるため顧客体験の改善に繋げることが出来ます。
顧客から集めたVOCや数値データなどを収集し、カスタマージャーニーマップを作成したら、次は実際に提供しているサービスにどのように落とし込むか仮説を立てます。
データとカスタマージャーニーを照らし合わせ、顧客視点で必要な改善施策を立案しましょう。
改善施策を立案したら、施策を実施し効果を検証します。
LTVや売上、解約率にどのような影響を及ぼしたかなどを測定し、さらなる改善策に繋げていきましょう。
皆様いかがでしたでしょうか。
「モノ」が溢れているこの時代において、「コト」に視点を置いたCXの改善は非常に有効的な施策です。
これを機に自社の製品やサービスを見直してみてはいかがでしょうか?
アイセールスでは、CX向上、オペレーションの改善支援も行っております。
お気軽にご相談ください。
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